福島菊次郎 あざなえる記憶
著 者 | 那須 圭子 |
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ISBN | 978-4-7803-1225-6 C0095 |
判 型 | 四六判 |
ページ数 | 210頁 |
発行年月日 | 2022年05月 |
価 格 | 定価(本体価格2,200円+税) |
ジャンル |
反骨の写真家との四半世紀の日々を綴ったフォトエッセー。
被爆者、学生運動、公害問題――。戦後史の先端を活写した報道写真家・福島菊次郎を近くで四半世紀にわたり見つめてきた著者が、時代と切り結んだ「師」の姿と言葉を追い、その覚悟と葛藤、老いと死をつづる極私的フォトエッセー。
詩人 アーサー・ビナード氏推薦
プロローグ
第1章 あさま山荘にて
第2章 ヒロシマ
第3章 カメラを武器に
第4章 原発が来たⅠ
第5章 石をめぐる記憶
第6章 棺桶のゆくえ
第7章 人たらし
第8章 原発が来たⅡ
第9章 お仕舞い
エピローグ
ある日の言葉/あしあと
原爆、原発、政治、軍事、福祉などの問題をライフワークとし、壮絶な人生を歩み2015年に94歳でなくなったフォトジャーナリスト福島菊次郎の生涯とその人物像に迫ります。
著者は福島菊次郎と四半世紀にわたり行動をともにし、共著も刊行しているフォトジャーナリストの那須圭子さん。
被爆者、学生運動、水俣、三里塚闘争、自衛隊、福島原発事故など戦後史の現場で遺した作品の裏にあった葛藤や覚悟、彼の家族や彼を支えた人々、島での自給自足生活、暴漢の襲撃、闘病から晩年までを、当時の交流とかけられた言葉を交えたエピソードで綴ります。福島菊次郎の代表作と著者が撮り続けた老いゆく福島菊次郎の肖像を文章の合間に多数掲載したフォトエッセイになっています。
アーサービナードさんより帯に推薦コメントをいただきました。
広島平和記念資料館に展示された「N家の崩壊」は、福島の作品「ピカドン―ある原爆被災者の記録」で構成されています。反骨の写真家の後半生を著者は静かに見つめ、問わず語りで聞いた福島の経験談や信念、家族らに見せる素顔をつづっており、読者は凄みある1人の人生に出会います。
那須 圭子
フォトジャーナリスト。大学卒業後に山口に移り住み、写真家の福島菊次郎からバトンを渡される形で中国電力・上関原発反対運動の撮影を続ける。
福島 菊次郎
報道写真家。広島の被爆者の困窮を追った作品「ピカドン―ある原爆被災者の記録」で日本写真評論家協会特別賞を受賞。以後、学生運動、公害、兵器産業などを取材。2015年没、享年94。