13歳からのレイチェル・カーソン
編著者 | 上遠 恵子:監修 レイチェル・カーソン日本協会:編者 |
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ISBN | 978-4-7803-1161-7 C0036 |
判 型 | A5判 |
ページ数 | 182頁 |
発行年月日 | 2021年05月 |
価 格 | 定価(本体価格1,600円+税) |
ジャンル |
私たちは、いまや分かれ道がいる。
20世紀の名著に挙げられ、いまも版を重ねる『沈黙の春』の出版60年を前に、化学物質や放射線による環境破壊を告発したカーソンの生涯を説き起こすとともに、『センス・オブ・ワンダー』などの著作を多角的に分析し、今も放つ未来へのメッセージを丁寧に伝える。
はじめに
1章◉若き日のカーソン―時代と生涯1
2章◉カーソンの活躍―時代と生涯2
3章◉『沈黙の春』が訴えたこと
4章◉『センス・オブ・ワンダー』に託した思い
5章◉文学者としての魅力
6章◉科学者のまなざし
7 章◉未来のためにできること
おわりに
刊行されてから今年で60年となる『沈黙の春』は、現在も版を重ねています。60年経った今もなお読み継がれるのは、歴史的な名著であるというだけでなく、自然破壊がもたらしたコロナ禍や地球温暖化、プラスチック汚染など、より深刻になった環境問題が人類を脅かしているからではないでしょうか。
レイチェルカーソンは、『沈黙の春』を書く以前に海の三部作と言われる、海洋生物学者の視線で海の叙事詩を描いた作品を遺しています。彼女は、科学者であるとともに文学者でもありました。
彼女の著書が今もなお人々の心を揺り動かすのは、「経済の言葉」ではなく「生命の言葉」で書かれているからだと言えます。
13歳シリーズの第15弾として刊行される本書では、カーソンの著作を日本に紹介したエッセイスト・上遠恵子さんやカーソン研究者らが、コロナ・パンデミックを始めとする現代の環境破壊の実情を受け、あらためて耳を傾けるべきカーソンのメッセージを多角的に伝え、環境問題の解決に大切なこと、自然と共生する生き方の素晴らしさにも言及します。
執筆者たちは「いま、カーソンが生きていたら何というだろう」と自問自答しながら執筆を行いました。文学者としての側面、科学者としての側面、残した著書の内容とその時代背景、それらを通して彼女の未来へのメッセージがより魅力的に伝わるはずです。
本書をきっかけに彼女の作品を読む事で、多くの生命と共存し、持続可能な社会を実現していくためにどう行動していけばいいのかを考えるきっかけになることを願っています。
上遠 恵子
東京薬科大卒業、東京大学農学部研究室勤務。現在、エッセイスト、レイチェル・カーソン日本協会会長。
レイチェル・カーソン日本協会
1986年5月 レイチェル・カーソン生誕80年記念事業準備委員会が下垣内博氏の呼びかけで発足。
1988年5月 レイチェル・カーソン日本協会設立総会開催。