まなざしの力
ヒューマンドキュメントの人々
著 者 | 渡辺 考 |
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ISBN | 978-4-7803-1106-8 C0095 |
判 型 | 四六判 |
ページ数 | 204頁 |
発行年月日 | 2020年08月 |
価 格 | 定価(本体価格1,700円+税) |
ジャンル |
テレビディレクター30年の著者が、ドキュメンタリー作成の過程で邂逅した人々の、まなざしに宿った力と背後に広がる世界を綴ったエッセイ集。
近現代史のなかで葛藤した人々の、 戦争や不条理な権力に翻弄された経験に裏打ちされた言葉が、重く深く、体の奥に染みこむ。
まえがきにかえて
第1話◉静かな光 カズオ・イシグロ(ノーベル文学賞受賞作家)
第2話◉鎮魂の祈りをこめて 西村 勇夫(長崎・浦上の潜伏キリシタン子孫、被爆者)
第3話◉老酔狂の意志と矜持 西部 邁(〝保守の論客〟といわれた思想家)
第4話◉赤い背中の悲しみ 谷口 稜曄(被爆体験を世界で語り伝える)
第5話◉父なるまなざし 後藤 文雄(カンボジア難民に尽くす型破り神父)
第6話◉傷ついた少年の心 メアス・ブン・ラー(元ポル・ポトの少年兵、カンボジアで教育支援)
第7話◉本土に問う 大田 昌秀(元鉄血勤皇隊員、元沖縄県知事)
第8話◉人と人のあいだ 無着 成恭(「やまびこ学校」の実践、教育者、僧侶)
第9話◉大切なものは何 本田 哲郎(カトリック神父、大阪釜ヶ崎の労働者の中で働く)
第10話◉涙の理由 義父と実母(二人の死に直面して考えたこと)
第11話◉教育は国家のものじゃない 大田 堯(教育界のレジェンド、日本子どもを守る会名誉会長)
第12話◉少年のような、それでいて鋭く ドナルド・キーン(日本文学・日本文化研究の第一人者)
第13話◉国境を越えたブルース 新井 英一(コリアンジャパニーズの歌手)
第14話◉見えない糸 檀 一雄(〝最後の無頼派文士〟、直木賞作家)
第15話◉大津波と万里の長城 田畑 ヨシ(田老の二度の津波を語り継ぐ絵本作家)
第16話◉哀しみに満ちた奥にあるものは 李 鶴来(訴え続ける韓国人元BC級戦犯)
第17話◉奪われた日々 三人の女学生たち(長崎の兵器工場で魚雷作りに従事して被爆)
第18話◉遠い祖国 加藤 登紀子(歌手デビュー55年、未来へ)
第19話◉パーパ、来訪 フランシスコ(日本に特別の思いを寄せるローマ教皇)
第20話◉信と義に殉じて 中村 哲(アフガニスタンに命を捧げた医師)
なかったことにしないで—あとがきにかえて
渡辺考さんの「まなざし」(檀ふみ)
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この素晴らしい本にめぐり逢えた幸運に感謝 このドキュメントは通り一編ではありません。その人と、人となりが「濃く」立ち現れ、強い印象を残すのです。私の父・檀一雄についても同様です。私の中で「薄」まりつつあった檀一雄像が、再び「濃く」浮かび上がりました。 |
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渡辺 考
1966年東京都生まれ。テレビディレクター、作家 。早稲田大学政治経済学部卒。
1990年NHK入局、ETV特集、NHKスペシャルなどを担当し、手がけた番組でギャラクシー賞選奨、放送文化基金賞、橋田賞などを受賞。映画「father」を監督。