菜園家族の思想
甦る小国主義日本
著 者 | 小貫 雅男・伊藤 恵子 |
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ISBN | 978-4-7803-0875-4 C0036 |
判 型 | 四六判 |
ページ数 | 384頁 |
発行年月日 | 2016年10月 |
価 格 | 定価(本体価格2,500円+税) |
ジャンル |
「菜園家族」の未来構想の根底には、人々の心に脈々と受け継がれてきた大地への回帰と止揚という民衆の揺るぎない歴史思想の水脈が息づいている。まさにこの民衆思想が21世紀未来社会論の新たな局面を切り開く。
はしがき
序 章 憎しみと暴力のるつぼと化した世界、そこから立ち上がる新たな理念
第一章 二十一世紀未来構想の問題意識、求められるその方法論の革新
第二章 私たちは何とも不思議な時代の不思議の国に生きている
第三章 人間はなるべくして人間になった
第四章 「菜園家族」構想とその基礎
第五章 「菜園家族」構想の現実世界への具体的適用とその展開
第六章 「匠商家族」と地方中核都市の形成
第七章 高度経済成長の延長線上に現れた3・11 の惨禍
第八章 「菜園家族」の台頭と資本の自然 遡行的 分散過程
第九章 自然循環型共生社会への現実的アプローチ
第十章 「菜園家族」を土台に築く円熟した先進福祉大国
第十一 章近代を超克する「菜園家族」的平和主義の構築
第十二 章今こそ近代のパラダイムを転換する
むすびにかえて 自然(じねん)の思想を現実の世界へ
あとがき 「世界でいちばん貧しい大統領」ホセ・ムヒカさんの思想との交歓
投稿者:藤井満(朝日新聞紀南支局記者)
評価: ☆☆☆☆
細胞レベルの生物学からマルクス主義、クルーグマンまで、構想の大きさと幅広さにくらくらします。
大阪都構想や「地方創生」の「上から目線」は本当にまずいですね。それに対抗する草の根民主主義が弱体化していることに危機感を覚えます。もしかしたら「菜園家族」は、民主主義再生の構想なのではないか、と思いながら読みました。
戦後の日本人では森嶋通夫が、ウェーバーの理論をもとに「大きな理論」を描いていましたが、小貫先生と伊藤さんの構想は、GDP信仰を越えるという意味で、新しい地平を切り拓いているんですね。
(中 略)
個々人がバラバラでは、社会を変革することはできません。社会を変えるには、労働組合や農協、あるいはNPOといった「中間組織」が不可欠です。でも、理念(=展望)が共有されなければ中間組織は成り立たちません。中間組織を成り立たせるための「展望」として、菜園家族構想は大きな意味があるように思えました。
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小貫 雅男
滋賀県立大学名誉教授、里山研究庵Nomad主宰
伊藤 恵子
大阪外大及び立命館大学経済学部非常勤講師