検証「LGBT理解増進法」
SOGI差別はどのように議論されたのか
著 者 | 神谷 悠一 |
---|---|
ISBN | 978-4-7803-1298-0 C0032 |
判 型 | A5判 |
ページ数 | 112頁 |
発行年月日 | 2023年10月 |
価 格 | 定価(本体価格1,200円+税) |
ジャンル |
「LGBT理解増進法」成立の経緯をたどる迫真ドキュメント
多くの抗議の声があがる中「LGBT理解増進法」が成立した。当事者が求め続けてきたSOGIに基づく差別は、なぜ「禁止」されなかったのか。法律成立までの経緯とともに、中身を検証し、この法律を今後に生かす方途をQ&A形式で解説。
はじめに
第1部 「LGBT理解増進法」成立の過程を追う
(1)G7サミットに向けた当事者団体の動き
(2)首相秘書官発言の波紋
(3)岸田首相との面会へ
(4)国内での運動の積み重ね
(5)G7広島サミット開催へ 法案をめぐる攻防
(6)最終盤のジェンダーバックラッシュ
(7)異例づくめの法案成立
(8)これからに向けて
第2部 「LGBT理解増進法」はどういう法律か
Q1 この法律によって全国で研修など理解増進のための取り組みが実施されるのですか?
Q2 性的指向やジェンダーアイデンティティを自分の意思で変えたり、選択することは可能なのですか?
Q3 「ジェンダーアイデンティティ」などの用語の使い方は、この法律に合わせないといけないのですか?
Q4 この法律は、男女別施設(公衆浴場やトイレ)などの利用ルールを変えるものですか?
Q5 この法律に基づく学校教育は、保護者の理解が得られないと実施できないものなのですか?
Q6 この法律は、自治体の取り組みを制限したり、性的マイノリティに関する教育に介入するきっかけとなるものですか?
Q7 法案審議で「民間団体等の活動の促進」が削除されたと聞きましたが、、民間団体に否定的な見解に基づくものですか?
Q8 「全ての国民が安心して生活すること」への「留意」が記された第十二条は、権利保障の取り組みを阻害するものなのですか?
おわりに
求めてきたのは、「理解」ではなく、「差別禁止」――多くの当事者やアライは「LGBT理解増進法」を大きな懸念と落胆とともに受け止めました。LGBT法連合会の事務局長として、「差別禁止法」を求める運動の先頭にたってきた神谷悠一さんに、法律制定の経緯とともに、懸念点を防備し法律を今後に生かしうる方途について、書き下ろしていただきました。緊急出版です。
神谷 悠一
1985年生まれ。LGBT法連合会理事・事務局長。内閣府「ジェンダー統計の観点からの性別欄検討ワーキング・グループ」構成員等を歴任。