イギリスの詩を読む
ミューズの奏でる寓意・伝説・神話の世界
奈良女子大学文学部〈まほろば〉叢書
著 者 | 齋藤 美和 |
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ISBN | 978-4-7803-0824-2 C0398 |
判 型・ | A5判 |
ページ数 | 156頁 |
発行年月日 | 2016年03月 |
価 格 | 定価(本体価格1,600円+税) |
ジャンル |
シェイクスピアの表現の技巧、ジョン・ダンとエンブレムの読み解き方など、若い読者が英詩を鑑賞し論じる上で役立つ入門書。
1)こんな切り口なら、英詩の鑑賞も楽しめる!英詩の入門書として最適
2)多くの図画で、詩をビジュアルと合わせて解説
はじめに
第一章 詩は写実する シェイクスピアのエクフラッス
第二章 詩は喩える エンブレムと読むジョン・ダン
ある日の授業風景 その1
第三章 詩は物語る1 〈取り替え子〉として読む 『ゴブリン・マーケット』
第四章 詩は物語る2 「シャーロットの乙女」にみる芸術する女の運命
第五章 詩は変奏する 居間に巣食う蛇嫁たちの唄
ある日の授業風景 その2
作品と注釈
chapter1 シェイクスピアの詩『ルークリース』と戯曲『アントニーとクレオパトラ』『リア王』から、作中人物によって絵画や情景が描写される場面を取り上げ、彼らが言葉によって対象をただ写すのではなく、いかに現実を、そして劇空間を創出していくかをみます。
chapter2 比喩に焦点を合わせながら、ジョン・ダンの詩をエンブレムという文芸ジャンルと絡めて読み解きます。
chapter3 クリスティーナ・ロセッティの『ゴブリン・マーケット』は、妖精についての詩であるにもかかわらず、これまであまりその視点から論じられることはありませんでした。〈取り替え子〉の民間説話と関連づけて読んでみることにします。
chapter4 アルフレッド・テニソンの物語詩「シャーロットの姫」を取り上げ、ラファエロ前派の絵画を眺めながら、詩の「模写する」姫が、女 流芸術家として辿らなければならなかった運命を追います。
chapter5 リリスとメドューサを取り上げ、詩人ロバート・ブラウニングとキャロル・アン・ダフィーが伝説や神話をどのように利用し、語 り替えているかを探ります。