クロコダイル
ワニみたいに潜む日常のハラスメントと性差別、そしてその対処法
著 者 | トマ・マチュー・リボアル堀井なみの・コザ・アリーン |
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ISBN | 978-4-7803-1236-2 C0036 |
判 型 | B5判変型(257mm×185mm) |
ページ数 | 180頁 |
発行年月日 | 2022年08月 |
価 格 | 定価(本体価格1,800円+税) |
ジャンル |
ベルギー発・ウェブで集まった女性たちの証言から生まれたセクシャル・ハラスメントのノンフィクション漫画
公共空間で嫌がらせを受けた経験がある女性13%、路上でつきまとわれたことがある女性5.2%(フランス・2004年)。
男性にとっては「冗談だった」「ナンパしただけ」のはずが、女性目線に立てば路上での暴力に変わる。
「クロコダイル・プロジェクト」はウェブで女性たちのセクハラ体験を集め、漫画化したベルギーでのプロジェクト。
男性をワニに擬人化することで、徹底的に女性目線に立ち、セクハラの本質に迫るとともに、その対処法を解説します。
路上を歩くだけで男たちからのナンパや侮辱の言葉を受ける女性の動画を見たベルギーの漫画家が、女性たちからこうした経験をウェブ上で収集した「クロコダイル・プロジェクト」。日常に潜む捕食者のような男性たちを「ワニ」にたとえて漫画にしたのが、本書です。男性をワニに表現することで、女性たちが「いつセクハラに会うかわからない」恐怖を表現します。また、男性もおのずと女性に共感する誘導にもなっています。フェミニズムの書籍が増えているいま、さらに深まる1冊になっています。
トマ・マチュー
ブリュッセルのサン・リュック高等美術学校でバンド・デシネを専攻。2013年から、「クロコダイル・プロジェクト」のクリエイターとして、日常的に繰り広げられる女性差別や街中でのハラスメントを、男たちをワニに擬人化し漫画化している。
リボアル堀井なみの
京都精華大学人文学部卒業。ノルウェー オスロ大学サマースクールで「北欧における男女平等」「平和学」を、フランス ソルボンヌ・ヌーヴェル パリ第3大学でフランス語を学ぶ。2022年に女性史を振り返る演劇「ミモザウェイズ1910-2020」を日仏協働製作。国連女性差別撤廃条約の研究と普及を目指す「国際女性の地位協会」理事。
コザ・アリーン
北フランスのリール生まれ。1986年から京都在住。30年にわたり幅広く翻訳の仕事にかかわってきた。共訳に、シンディウェ・マゴナ『母から母へ』(現代企画室)、エステル・デュフロ『貧困と闘う知』(みすず書房)、ITO Shiori, La boîte noire (Éditions Picquier)など。