戦後平和主義を問い直す
戦犯裁判、憲法九条、東アジア関係をめぐって
著 者 | 林 博史 |
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ISBN | 978-4-7803-0196-0 C0021 |
判 型 | 四六判 |
ページ数 | 160頁 |
発行年月日 | 2008年08月 |
価 格 | 定価(本体価格1,500円+税) |
ジャンル |
東京裁判判決から60年。
なぜいつまでも侵略責任を回避する議論が続くのか。日本を犠牲者として描く映画「私は貝になりたい」が再び脚光をあびるのか。
もしかして・・・
あらゆる戦争を放棄する憲法九条が、「どんな戦争も悪いのだから」と、侵略戦争を相対化し、戦争犯罪を曖昧にする風潮をつくり出したのではないか。戦後、護憲派が避けてきた問題に切り込み、個人の責任に向きあう平和主義を提唱する問題作。
第一章 東京裁判・BC級裁判の再検討
戦争犯罪・戦争責任という考え方の発生
東京裁判
BC級戦犯裁判について
戦犯裁判の意義と限界
戦犯裁判論から見た戦後日本の平和主義の問題
第二章 憲法九条をアジアのなかでとらえ直す
東京裁判 九条と天皇制
九条と沖縄
日本本土の軍事負担軽減と周辺諸国の軍事化
植民地支配への反省・償いの欠如
今後の課題
第三章 東アジア 「過去の克服」の今日的意義
日本の戦前・戦中・戦後の連続性
韓国での「過去の克服」の動き
戦後の南朝鮮・韓国と対日協力者
変わりつつある韓国社会
日本の植民地支配の残されている問題
その他のアジア諸国
世界的な過去の問い直し
林 博史
関東学院大学教授。
歴史学者、専攻は日本近現代史。戦争犯罪研究、沖縄戦研究などで知られる。