昭和、記憶の端っこで

昭和、記憶の端っこで

本橋成一の写真を読む

著 者

村石 保

ISBN

978-4-7803-1229-4 C0095

判 型

A5判

ページ数

160頁

発行年月日

2022年06月

価 格

定価(本体価格2,000円+税)

ジャンル

文学・小説・エッセイ

【昭和の居場所】を集大成
本橋成一の写真を通して昭和から現代までの「時代」を、時に鋭く、時に切なく読み解くエッセイ集。
誰しもの記憶の端っこに沁み入る写真&エッセイ50編収録。
互いに深く響きあう写真家と編集者との、或いはその写真と文章との「相聞歌」だと私には思える―渡辺一枝

或いは「相聞歌」としての……渡辺一枝
◎昭和、記憶の端っこで1
上野駅、プラットホームの幕間/帰ろかな帰るのよそうかな/「どちらでもない」平成/路地と紙芝居/異界への道/遺影が語るもの/葬られた記憶/大きいことはいいことだ!
◎故郷喪失
「Надежда(ナジェージダ)=希 望」或いは本橋成一私論/天国はいらない、故郷を与えよ NO NUKES!(本橋成一×スズキコージ÷村石 保)/種を蒔くひと/その記憶を刻んで/観覧車、回れよ回れ……/帰りなんいざ/故郷喪失/悼みと記憶の在所/私のこころを虜にした……。/ファン・ゴッホの手は/詩を書くように写真を撮るように/祈り、或いは二人のミレー/卓袱台と最後の晩餐
◎かたほとりへの眼差し1
画家と写真家の〝海の幸〟/井戸、あるいは原郷へ/月とジュゴンと老人/砂とエロス/〝退屈〟で〝自由〟であること/バラバラ体操は爽快にして美しい!/〝新聞〟はエラかった!/Mm-STOP THE WORLD/ワラにまみれてヨー
◎昭和、記憶の端っこで2
傾いた日の丸/あるフェティシズム/日いづる國に/「ハタヒロイ」と「リョウヘイカ」/肖像画からポートレートへ/日の丸と自由・平等・博愛/津波と日の丸/少年探偵団 参上/落ちることの快楽/空き地は怪しみの異界/炬燵と団欒/一丁前の少年へ/浮世床、あるいは男たちの井戸端/背中【せな】で泣いてる唐獅子牡丹/イカとサケの山国的な事情
◎かたほとりへの眼差し2
「かたほとり」への眼差し――本橋成一の映像が回帰するところ/〝いのち〟の現場に見る家族の肖像 ──『ある精肉店のはなし』/ペチカ、あるいは一杯のスープと詩と映画/少女、あるいは光の記憶/少年、あるいは、しなやかな均衡
写真て何だろう?……本橋成一
あとがき……村石 保

写真家・映画監督の本橋成一氏と数多くの仕事をともにしてきた編集者の村石保氏による、本橋成一写真論集。いわゆる「写真批評」ではなく、本橋写真とその時代性をリンクさせ、同時代に生きる私たちが、いま思い出すべきものを提示してくれるエッセイ集となっています。

村石 保
1951年、長野県生まれ。1970年より東京で演劇、映画制作に携わる。帰郷後、出版社に勤務。その後、妻と共に長野市内で出版社オフィスエムを立ち上げ、編集長のかたわら、books cafeまいまい堂の店主を経て、標高1200mの飯綱高原で森の中の本工房・風來舎の代表を務める。

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毎日新聞[22年7月9日]に紹介

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