挑発ある文学史
誤読され続ける部落/ハンセン病文芸
著 者 | 秦 重雄 |
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ISBN | 978-4-7803-0481-7 C0091 |
判 型 | 四六判上製 |
ページ数 | 368頁 |
発行年月日 | 2011年10月 |
価 格 | 定価(本体価格2,800円+税) |
ジャンル |
『破戒』、住井すゑの諸作品、全否定されてきた小川正子の『小島の春』ほか、これまでくり返し論評されてきた部落問題、ハンセン病問題を扱った文学作品を丹念に読み返し、定説をくつがえす作家・作品論を提示する。
1 戦前の部落問題文芸を概観する
2 二十一世紀を生きる『破戒』
発見! TVドラマ脚本『破戒』
3 住井すゑの出発点
『橋のない川』改訂箇所とその意味
長編小説『希望』の静かな流れ
4 〈差別小説〉『特殊部落』を検証する
5 深き「宿命」の淵から
検証会議 「文壇におけるハンセン病観」総批判
広く「差別小説」とのらく印を受けてきた作品を丹念に読み返し、その評価がいかにそのときどきの社会状況が反映したものであるか明らかにする。これまでの定説をくつがえす大胆な試み。
秦 重雄
1953年生まれ。現在大阪府立高校教員。1978年立命館大学文学部卒。専門研究は「日本近代文学研究」で、「部落問題文芸」「ハンセン病と文学」「プロレタリア作家中西伊之助」の三分野を特に追究している。