「ある裁判の戦記」を読む

差別を許さない市民の願いが実った かもがわブックレット204

著 者

内田 樹・山崎 雅弘

ISBN

978-4-7803-1277-5 C0336

判 型

A5判

ページ数

64頁

発行年月日

2023年05月

価 格

定価(本体価格600円+税)

ジャンル

かもがわブックレット

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言論の自由を守り差別を許さない司法の姿勢を示した
竹田氏の裁判は、千数百人による千数百万円の募金をはじめ、有形無形の支援に支えられた。差別を許さない市民の自覚が、司法のまっとうな判決を生みだし、言論空間を救ったのだ。
『ある裁判の戦記』の著者の山崎雅弘氏と、支援の先頭に立った内田樹氏とが、この裁判の意義を語り合った。

●判決の行間から「司法の怒り」を感じた
●裁判官は両方の言い分に耳を傾けた上で判決を下した
●裁判官は生身の人間として誠実に思考してくれた
●実質的には竹田氏が被告席に立たされて裁かれていた
●講演会中止だけを捉えたら竹田氏を被害者と描くこともできたが
●多くの市民が言論の自由を守る公的な事業だと捉えてくれた
●内田樹さんの言葉があったから出口が見えた
●一緒に被告席に立っているつもりになれた
●リスクを承知で抵抗することが成長に繋がることがある
●竹田氏は言論の場では戦えなかった
●竹田氏は自分が差別主義者でないことの証拠を出せなかった
●寄付金の増大を前に「自分の裁判費用ぐらい自分で賄え」と竹田氏
●竹田氏の陳述書ははったりと詭弁ばかりだった
●自分の考えをクールでリアルな視点でチェックすることが大事なのに
●都合の悪いことは徹底的に無視するのが歴史修正主義者の特徴
●裁判位訴えた側が「私は司法を信用しない」では筋目が通らない
●スラップ訴訟の根本にあるのは司法を道具とみなす司法蔑視
●公的組織が竹田氏を講演に呼ぶことは困難になった
●差別する側が負ける常識的な判決が次々と下されている意味
●他民族など集団に対する差別を扇動する言葉は認めない判決だった
●佃弁護士が立てた戦略に従って戦えたことの大切さ
●裁判の経験がゼロでも不安を抱くことがなかった
●寄付金に示されたのは差別社会を許さないという市民の強い意思
●おわりに
●資料 ご支援のお願い(内田樹)

内田 樹
1950年生まれ。 東京大学文学部仏文科卒業、東京都立大学大学院博士課程中退。現在、神戸女学院大学文学部教授。 専門は、フランス現代思想、映画論、武道論。『日本辺境論』で2010年日本新書大賞、第三回伊丹十三賞を受賞。
 
山崎 雅弘
戦史・紛争史研究家
1967年大阪府生まれ。古今東西の戦史・紛争史を多面的に分析する著述活動のほか、時事問題に関する論考を新聞・雑誌・インターネット媒体などに寄稿。趣味は旅行と美術・博物館めぐり。

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