母親やめてもいいですか

母親やめてもいいですか

娘が発達障害と診断されて・・・

著 者

山口 かこ・にしかわ たく(文・絵)

ISBN

978-4-7803-0568-5 C0037

判 型

A5判

ページ数

200頁

発行年月日

2013年03月

価 格

定価(本体価格1,400円+税)

ジャンル

文学・小説・エッセイ

笑いあり。涙あり。
発達障害と診断された我が子との生活をせきららにつづったかつてない、超リアル子育てコミックエッセイ。
杉山登志郎(浜松医科大学教授)先生のインタビューを5本掲載!

序 章 たから誕生
第1章 親ばかですか
第2章 愚痴ってもいいですか
第3章 私の娘、ヘンですか
第4章 療育ってなんですか
第5章 普通の子は可愛いですか
第6章 死んだらダメですか
第7章 子は鎹ってホントですか
第8章 チャットは逃避の始まりですか
第9章 女になっていいですか
第10章 信じる者は救われますか
第11章 娘を手放していいですか
第12章 たからはたからですか
第13章 母を続けていいですか

投稿者:女性・20歳代・会社員
評価:☆☆☆☆☆
付き合っていた彼氏がアスペルガー症候群であったことをきっかけに発達障害について調べるようになり、私自身も発達障害なのでは?と疑いを持ちました。すると、私の乳、兄弟もその傾向にあり医師にも診察済みであったことをつい最近はじめてしったところです。私には子供がいませんが、遺伝等を考えると不安になりこちらの本を読ん手に取りました。幼稚園の体験等自分の重なる部分もあり、また最後の表情にはみせないけどたかちゃんが何かをお母さんに伝えようとしてる姿を見て泣けました。発達障害を調べるきっかけになった彼には突如振られもう関わることが出来なくなってしまったのですが、彼にいつも表情も声のトーンも一緒で何考えてるのかわからない!と責めてしまい悲しい思いをさせたのかなとか、突然きれて私よ前を去っていった彼の背景を考えるきっけけになりました。彼を失った悲しみ、まさかの自分や家族の発達障害発覚、自分の子供もそうなんじゃないかという不安。こういったりあるなけいけんだんを読みやすいエッセイ本にして頂けることでわかりやすく、また共感することができよかったです。
 
投稿者:女性・50歳代・小学校講師
評価:☆☆☆☆☆
東京都の小学校で発達障害の子どもたちの講師をしています。育児放棄され施設から通っている子どもたちもいて、日々大変です。親御さんたちはさぞ大変だろうと、ほんとうに頭がさがります。お母さんたちの気持ちをもっと知りたくて、「母親やめてもいですか」を手にとりました。重い内容ですが、感動しました。自分の過去にしっかり向き合える大人が何人いることか。自分の本音を見つめて、それから歩みだした著者にエールを送りたいです。
 
投稿者:女性・34歳・主婦
評価:☆☆☆☆☆
2歳半の長男の成長が標準より遅れていて悩んでいました。発達障害の可能性を医者に否定も肯定もされず、毎日モンモンと苦しんでいました。この本を本屋で読んだ時、涙が出てしまいました。帰って主人に息子が他の子と比べて成長が遅いことで悩んでいて、育児が辛いことを伝えると、子どもと離れる時間を持てるよう配慮してくれました。
 
投稿者:女性・53歳
評価:☆☆☆☆☆
発達障害を理解したいと思い、コミックエッセイなら忙しくても読めそうと思い、購入しました。専門の解説もあり、よく分かりました。また、不倫や宗教に逃げてしまったことには、え、と思いましたが、障害児でなくても子どもを愛せなかったり、なんで自分ばかりと思うことのある親には共感できました。再会したときのたからの言葉には、やはり涙。元夫や、義理の親一家、実母がみんなたからを受け入れているのが救いです。「君の幸せは僕の幸せ」というだんなさんの言葉がうらやましいです。愛があふれているから、きっとだいじょうぶ。
 
投稿者:女性・36歳
評価:☆☆☆☆☆
同今、私も山口かこさんと同じ状態であります。本のタイトルを見たとき、これは読まなきゃと思いました。発達障害、母親(私)の鬱病、将来の不安に毎日悩んでいましたが、自分を変えること、子どもを受け入れる努力をしてみたいと思いました。もう少し生きてみようと思うことが出来ました。ありがとうございました。
 
投稿者:女性・アルバイト
評価:☆☆☆☆☆
同じ子を持つ母として、この本は今まではどの専門書より、私の教科書になりました。
診断されたとき、私がまっ先にしなくちゃいけなかったのは「強くなる」覚悟
この言葉は、どの本にも書いていなかったし、どこのカウンセラーの先生からも教えてもらうことのなかった言葉です。
毎日ネットで検索し、図書館ができるほどの専門書を買いましたが、これほど簡単で重みのある言葉はありませんでした。
子どもはいくつからでも育て直しがきく。と専門家の方から聞きました。この答えに辿り着くまでに5年もかかってしまいましたが、私なりに育て直しをするチャンスをもらったのだと、もう一度、向き合うつもりです。ありがとうございました。
 
投稿者:女性
評価:☆☆☆☆☆
作品を読ませていただき、メールいたしました。
 私は、現在中学2年、グレーゾーンの広汎性発達障害、ADHDの息子と健常の小学5年の息子をもつ母です。今現在、シナリオや小説を書くための勉強をしています。今回自分も作品に発達障害を取り上げたと思い、いろいろな発達障害の本を読んでいるうちにこの作品に出会いました。
 ネット上では、賛否両論の作品だったのですが、タイトルに惹かれて購入、読んだ後しばらく目頭が熱くなりました。
 私自身、長男の育児、子育てに何度も打ちのめされたり、本当にいろいろなことがありました。乳児期の育児の難しさに始まり、幼稚園や小学校でのトラブル、いじめや不登校。中学校はギリギリまでフリースクールか公立か解らない状態。今は、そんな彼も少しずつ成長しながら部活に励む普通公立の中学生です。
 ここまで、赤裸々にご自身の体験を書かれるのは本当に大変だったと思います。でも、この作品を読んで、賛否両論であっても、いろいろな思いを読者に抱かせることが出来たというのはやはりそれだけ素晴らしい作品だったと思います。読ませて下さりありがとうございました。

LD.ADHD、アスペルガーといった言葉が日本にもだいぶ定着してきました。軽度発達障害といわれることもあるこれらの障害。クラスに2から3人いるとも言われており、多くの人にとって無関係なことではありません。
そのせいか最近、広汎性発達障害に関するコミックエッセイが多く刊行されています。この書籍もそのジャンルに入ります。
ほとんどの場合、そういったコミックエッセイでは、愛するわが子のために奮闘する両親の姿が描かれています。しかし本書は、タイトルからもわかるように、そういったストレートな内容ではありません。
主人公である著者が、娘の障害を受容できずに苦しむ物語です。最終的には娘を手放し、離婚してしまいます。
ユーモアのオブラートに包まれつつ描かれていますが、実体験を漫画化したストーリーはリアルで時に胸をえぐります。恐らく著者は身を切られるような思いでこの本を作ったことでしょう。
この本に営業がつけたキャッチコピーは、『痛くて 泣ける』でした。私の読後感もまさにそのような感じです。しかしそうした過程を経てこそ感じられるもの、見えるもの、納得できるものがあります。
重度であれ軽度であれ、障害は一生治ることがありません。もし障害を持つ子が産まれたら…子どもより先に死ぬであろう親が抱える葛藤は大変なものでしょう。
障害は個性、とよく言われます。理屈としてはそうだと思いますが、そう簡単に納得できるものではないでしょう。
著者と同じように子どもの障害受容ができず苦しんでいる親御さんはたくさんいると思います。そんな人たちがこの本を読んで少しでも気持ちが楽になってくれたら、そんな思いでいます。

山口 かこ
1975年愛知県生まれ。大学卒業後は不動産会社OLを経て、結婚、出産、広汎性発達障害の娘の育児、離婚を体験。その後、持ち前の洞察力と集中力、そしてディープな人生経験を駆使してライター活動をスタート。福祉、環境、カルチャー、歴史ネタを得意とし、ラジオ、紙媒体、WEBにて取材・構成・執筆を行う。
 
にしかわたく
1969年長崎県生まれ、東京都国分寺市で育つ。大学在学中に『月刊アフタヌーン』で商業誌デビューするも紆余曲折、現在は漫画、イラスト、映画コラムと場当たり的に広く浅く活動。

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