イギリスの政策と議論に学ぶ

子どもの貧困とライフチャンス

編著者

子どもの貧困アクショングループ:編

松本 伊智朗:監訳・松本 淳:訳

ISBN

978-4-7803-1189-1 C0036

判 型

A5判

ページ数

208頁

発行年月日

2022年01月

価 格

定価(本体価格2,200円+税)

ジャンル

教育

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「ライフチャンス」が、貧困をなくすのか?
貧困解決が「ライフチャンス」を改善するのか?
日本が子どもの貧困対策を学んできたイギリスでは、労働党政権下、超党派による「子どもの貧困法2010」が制定され、2020年に子どもの貧困率を10%以下とする具体的目標が明記されました。しかし、政権交代などにより、政策と議論は貧困から「社会移動」に移り、子どもの貧困法は後退し、「ライフチャンス法」へと模様替えをしています。
削減目標も達成されず、子どもの貧困が増加している現在、「子どもの貧困アクショングループ」は、ライフチャンス改善のためにも、子どもの貧困解決に取り組む必要があると訴えます。
日本の次の子どもの貧困対策法・大綱見直しは、2024年。子どもの貧困対策法制定以来、貧困の世代間連鎖を断つことに主眼がおかれてきた日本にとって、さらには、コロナ禍で困窮と格差を深める世界と子ども・家庭にとって、本書で示される議論や政策・指標案は、多くのヒントとなることでしょう。
人生と生活(ライフ)は、数々のめぐりあわせ(チャンス)。どんなめぐりあわせでも、貧困と不平等から守られる社会をつくる。

1 ライフチャンスという考え方
2 所得を抜きにライフチャンスが語れないわけ
3 家庭の構造、家庭環境、ライフチャンス
4 保育・幼児教育と子どものライフチャンス
5 学校の内と外 子どもたちの教育に対する貧困の影響
6 健康、ウェルビーイング、発達のために十分な生活水準
7 子どもたちのメンタルヘルスと貧困とライフチャンスと
8 住居・住環境と子どものライフチャンス
9 不確実な「移行」、先の見えない労働市場、若者のライフチャンス
10 「生まれ」と「運命」を結ぶ鎖を断ち切る
11 ライフチャンスを測定するには?
12 ライフチャンスを改善する戦略とは?

下記のとおり訂正し、お詫び申し上げます。
▪️70ページ5行目
誤 自由至上主義
正 自由市場主義
 
▪️97ページ13行目
誤 国民保険サービス
正 国民保健サービス
 
▪️112ページ23行目
誤 国民健康促進サービス
正 国民保健サービス

子どもの貧困アクショングループ Child Poverty ActionGroup(CPAG)
1960年代からイギリスの社会保障の権利運動を牽引してきた団体。子どもの貧困の予防・解決のための啓発や調査研究、政策提言、支援者のための研修などに取り組む。
すべての子どもが経済困難のない子ども時代を楽しみ、誰もが公正・平等に人生のチャンスを得られる貧困のない社会を目指す。
 
松本 伊智朗
北海道大学大学院教育学研究院教授。貧困研究、教育福祉論。北海道子どもの未来づくり審議会会長、札幌市子ども子育て会議児童福祉部会長、社会保障審議会専門委員、内閣府子供の貧困対策に関する有識者会議構成員等の公職のほか、反貧困ネット北海道代表、「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク世話人などの市民活動のも参加。
 
松本 淳
英語翻訳者

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