一人ひとりに届ける福祉が支える
フランスの子どもの育ちと家族
著 者 | 安發 明子 |
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ISBN | 978-4-7803-1280-5 C0036 |
判 型・ | A5判 |
ページ数 | 196頁 |
発行年月日 | 2023年08月 |
価 格 | 定価(本体価格1,800円+税) |
ジャンル |
すべての子どもがしあわせな子ども時代を送るために
日本で生活保護ソーシャルワーカーをしていてバーンアウトした私が、フランスで出産・子育てして出会った子どもと家族をまるごと支えて育てる社会のかたち。生きることが「自己責任」でない社会を援助職・研究者のまなざしと親の願いを込め、写真とデータを交えてレポート。
日本の子どもたちのために何ができるか考えているすべてのおとなへ
ヒントと勇気が詰まっています!
★ライフステージをつなぐ フランスの子ども家庭福祉とソーシャルワーク
1 市民を育てる
生まれたときから意思あるひとりの人間として尊重する。
2 子どもの権利
NOと言えるようになって初めて、YESが選べる。
3 生活保障
出産は無料、子どもには望む教育を受けさせることができる。
4 親という実践を支える
親をすることは簡単ではないから。
5 家族まるごと支える福祉
家庭にワーカーが通い、家族のふだんの生活をまるごと支える。
6 ジェンダー、性と子どもの育ち
基礎能力は読み書き計算、他者の尊重。
★機関・専門職資格・福祉サービスの用語説明
★人権と福祉略年表
日本で生活保護ワーカーを経験し、フランスで出産・子育てをし、現在パリ在住で研究や調査に携わるという希有な存在である安發明子さんだからこそ感じ取れる、生きることが「自己責任」でないフランス社会を描いています。そこには、子どもの権利保障を根底に据えた、日本の子どもたちへの温かなまなざしと願いが込められています。豊富なデータと写真も魅力。
・家族まるごとの支援は、子どもの保護に比べ、1/9000のコストで済む
・個人が社会に合わせるのではない。すべての人に居場所があるよう社会変革するのがソーシャルワーク
・人は常に最善の選択をしている、その背景を想像し、相手の望む生き方を支える
・担当する子どもたち・親たちを愛し続けることが、いちばん大事な役割
・子どもは守るべき花ではない。点火すべき火。自分のために行動する力を支える
・支援者がクリエイティブでいられること
・人の悩みや抱える困難は個人的なものではなく、社会的政治的なもの
人々が舞台ですばらしいパフォーマンスができるよう支えるのが、政治
安發 明子
フランス子ども家庭福祉研究者。1981年鹿児島県生まれ。小学校時代4年間をスイスで過ごし、スイスの小学校に通う。一橋大学社会学部卒業。学生時代に学習ボランティアとして訪れた児童自立支援施設で衝撃を覚え、全国とスイスで児童保護分野の機関のフィールドワーク調査を行い、日本とスイスの子どものライフヒストリーを描いた『親なき子』(島津あき、金曜日)を出版。
生活保護ワーカーとして働いたのち2011年渡仏。フランス国立社会科学高等研究院健康社会政策学科修士、社会学修士。
フランスで妊娠出産をし、日本人の夫、6歳の娘と暮らす。フランスの子ども家庭福祉分野の調査をしながら日本に発信を続けている。すべての子どもたちがしあわせな子ども時代を過ごし、チャンスがある社会をめざして活動している。日本からの視察や調査のコーディネートや通訳、オンライン講演も多数。