中高生から考える死刑制度
死に値する罪ってなに?
著 者 | 佐藤 大介 |
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ISBN | 978-4-7803-1350-5 C0036 |
判 型 | 四六判 |
ページ数 | 184頁 |
発行年月日 | 2024年12月 |
価 格 | 定価(本体価格1,800円+税) |
ジャンル |
「死刑制度」について考えると見えてくるものとは
日本には死刑制度があります。日本の死刑の実態、国際社会の流れ、情報公開、冤罪、被害者感情など、あらゆる側面から事実を知り、考えていくことが「死刑のある国」に暮らす私たちの責務。ともに考えるためのわかりやすい一冊。(写真・図表約20点収録)
■第1章 日本の死刑はどうなっているのか
死刑とはなにか/死刑になる罪/死を待つ存在/死刑囚の日常/外部との隔絶/「衛生夫」の見た死刑囚/死刑の範囲/死刑の歴史/律令制度と死刑/残虐化する刑罰/明治時代での変化/根拠は150年前の法令/死刑のプロセス/執行の日/人を殺している実感
■第2章 国際社会と死刑
世界の潮流は「死刑廃止」/死刑執行件数から読み取れること/欧州の姿勢/国連の立場と日本/揺れる米国/「事実上の死刑廃止国」韓国/英国大使の「苦言」/日本の政治家の受け止め
■第3章 死刑と情報公開
特ダネだった死刑執行/「お答えを差し控える」理由とは/黒塗りの始末書/執行に立ち会った法務大臣の思い/「国は逃げるな」/米国で出会った死刑囚/死刑を見届ける記者の思い
■第4章 「冤罪」と「被害者感情」
袴田事件と再審無罪/繰り返された「死刑」から「無罪」/被害者感情にどう向き合うか/被害者への支援
■第5章 死刑はどうなっていくのか
死刑賛成は「8割」なのか/見直された質問内容/「残虐さ」を現代から考える/死刑に代わる刑罰
2024年9月26日、元死刑囚、袴田巌さんに再審無罪判決がでました。1980年代、著者が小中学生のころに抱いた「国家が人の生命を奪うことは許されるのか」「無実の人が死刑になる可能性はなくならないのではないか」という疑問は、いまも解決していないままです。現在も日本には死刑制度あるという現実をどうみていくのか。「死刑制度」を自分事として考えるための一冊です。
佐藤 大介
1972年、北海道生まれ。明治学院大学法学部卒業後、毎日新聞社を経て2002年に共同通信社に入社。韓国・延世大学に1年間の社命留学後、2009年3月から2011年末までソウル特派員。帰国後、特別報道室や経済部(経済産業省担当)などを経て、2016年9月から2020年5月までニューデリー特派員。2021年5月より編集委員兼論説委員。