読み書きに困難のある子どもたちのために
かなパズルゲームは、ひらがなカードをトランプのように使って「ことば」を作り、点数を競うゲームです。語彙の少ない子どもや、文字の習得に課題のある子ども、拗音や促音が苦手な子どもたちに活用してもらいたいと思いつくりました。
箱の中に入っているもの
＊利用のアドバイスブック（読み書きの困難への関わり方、ゲームの遊び方）
＊解答記入用紙3種類（コピーのための原本）
＊ひらがなカード108枚（ひらがな・拗音・促音など）たて95×よこ60mm
新しくなったところ
＊拗音、促音、長音、拗長音、拗促音の誤りを見つけるために、読み書きの検査ができるように仕様を変えました。
＊カードの裏の特殊音節を含む単語とイラスト（50種類）を使って、特殊音節の読み書きのチェックが出来ます。
＊記録用紙とチェック・分析シートを追加しました。

竹田　契一
日本ＬＤ学会常任理事・特別支援教育士資格認定協会会長
読み書きや算数障害がある児童・生徒には、「ゆっくり、繰り返し根気よく教える、教材を易しくして教える」のみが教師の学校現場での指導方法でした。しかしLD（学習障害）等、国語・算数に問題を持つ児童・生徒は認知機能に偏りがあり、文字や語彙の習得にもその認知に特化した指導プログラムが効果的と考えられています。今回の山田先生の開発されたこのゲームは、正にひとりひとりの児童・生徒の認知の偏りに配慮して作られたすばらしい教材です。ゲーム感覚は子どものやる気を促します。ルールが分かりやすく、楽しく意欲的にできる教材です。ぜひ使ってみてください。
 
柘植　雅義
兵庫教育大学大学院教授・学校教育研究科特別支援教育教育学専攻
今回発売されるゲームは、LD（学習障害）のみならず、文字の習得や語彙の拡大に困難のある子どもに広く活用可能でしょう。拗音や促音を間違ったりする子どもには、ひたすらワークするなどドリル的になりがちな文字の習得を、ゲーム感覚で意欲をもって楽しく学べることが特徴です。また、ゲームのルールは、いろいろ課題をもつ子に対応して柔軟に考えていくことができるので、どのような実態の子どもにも活用できるでしょう。文字の習得でありながら、ルール理解や集団の中での協力関係の習得や向上といったことにも貢献できそうですね。

通級担当の先生
2人から数人で楽しくゲームするうちに、知らなかった言葉にふれるなど語彙に広がりが見られる。また、倍得点になることから拗音や促音に注目し、普段から「給食には2つ」「リュックサックは3つ」など意識しはじめた子もいる。
 
ボランティアの学生
「かな2パズルゲーム」は普段勉強で集中することも難しい子どもたちにも楽しめるゲームだと思いました。さらに大人も一緒にやることで、ゲームの中で、コミュニケーションをとることができます。子どもたちだけのグループでする時も本当にゲーム感覚でできるので、とても盛り上がります。長い言葉をつくるのが難しいですが、やり続けていくうちに発想力が養われると思います。
 
ボランティアの学生
3年生の男の子がこの前、「おれこれするために（ことばの教室に）来てんねん」と言っていたのが印象的です。「きゅうきゅうしゃ」は64点と暗記している彼に勝つのはとても難しいです。
 
ボランティアの学生
私が担当している中で子どもたちが一番生き生きしている時間のように感じます。ルールも工夫されていて、おもしろいと思います。子どもだけに任せていると、どうしても小さい文字を使わず安易な単語をつくりがちです。
 
サポーターの先生
初めは簡単な言葉づくりで盛り上がって楽しめます。慣れてくると促音や拗音を使って高得点をとろうと必死になります。高得点の言葉ができるとすごく達成感があります。何人ででもできるし、楽しみながら言葉づくりができると思います。
いう指導の計画が必要になります。

山田　充（やまだみつる）
大阪府堺市の小学校で20年間通級指導教室を担当。現職の頃から現在まで堺市特別支援教育専門家チーム・年8回の通級指導研修を担当。
退職後､広島県廿日市市教育委員会で特別支援教育アドバイザーに6年間就任する。現在､大阪市教育委員会インクルーシブ教育推進室で通級指導アドバイザーに就任。
〈資格〉
特別支援教育士スーパーバイザー
認知リフレーミング士【アソシエイト】