マンガ はじめての出生前診断
中村敬の理論・思想・実践をもとに
著 者 | 中西 恵理子(絵・文)・関沢 明彦(医療監修) |
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ISBN | 978-4-7803-0745-0 C0037 |
判 型 | A5判 |
ページ数 | 122頁 |
発行年月日 | 2015年02月 |
価 格 | 定価(本体価格1,400円+税) |
ジャンル |
出生前診断の医学的解説にとどまらず、診断を受けるまでの逡巡、産んだ人、産まなかった人、その当事者たちの苦悩と選択、後悔と希望の体験談を赤裸々に描くコミックエッセイ
だれもがどこかで障害者であるといえる。ではどこから排除すべき障害なのか?それを決めるのは誰なのか?診断を受けた人、陽性診断を受けて産まなかった人、ダウン症の子を育てる人、現場で従事する医師や遺伝カウンセラー。それそれの体験談を通して出生前診断と命の選別を考える。あなたならどうしますか?
序 章 「出生前診断って聞いたことありますか?」
第1章 ケース①42歳での高齢妊娠だったため出生前診断を受けた田中真理子さん(仮名)の場合
「どうする?出生前診断」
コラム ◆新型出生前診断の基礎知識
第2章 ケース②次女がダウン症、3人目妊娠時に出生前診断を受けた小林浩司さん・志織さん(仮名)ご夫婦の場合
「もし、この子もダウン症だったら・・?」
コラム◆ 染色体異常の病気ってどんなものがあるの?
第3章 ケース③遺伝カウンセラーの四元淳子さんにお話を伺ってきました
「遺伝カウンセリングってなに?」
コラム◆ 専門家に聞いてみた
第4章 ケース④出生前診断を知らずダウン症のお子さんを産んだ佐々木和子さんの場合
「なぜ出生前診断を受けなければならなくなったのか?」
コラム◆ さまざまなサポート活動の立場から
ただのノウハウ本じゃない!
『マンガ はじめての出生前診断』のご案内
胎児の染色体異常を調べることができる出生前診断。
検査が簡単なこと、高齢出産が増えたことなどが相まって世間で大きな話題を呼んでいます。また同時に「新型出生前診断、異常確定のうち97%が中絶」というショッキングなニュースも流れています。
医学書として出生前診断を解説した本はいろいろ出ています。
本書は、出生前診断の基礎知識をマンガでわかり易く解説する本ですが、それだけではありません。
また命を選別する優生思想を一方的に批判する本でもありません。
検査を受けるか否か、子どもを産むか否か、この本ではその結論は提示していません。
本書では、現場で従事する医師や遺伝カウンセラーによる解説はもとより、出生前診断を受けた人、陽性診断を受けて産まなかった人、ダウン症の子を育てる人、その当事者たちの体験談を丁寧に取材しマンガにしています。
診る人、受ける人、産んだ人、産まなかった人…。それぞれの立場の人々の思い、苦悩、悲しみ、希望がマンガを通して伝わってきます。
『命の選別は許せない、障害を持った人にも生きる権利はある!』
よくわかります。
『今の日本では障害を持って生まれた子どもが幸せになることは難しい。親として子どもに苦しい思いをしてほしくない。』
それもよくわかります。
この本を読んでなお、両者の葛藤を前に、こちらが正しい!と声高に宣言できる人はいないのではないでしょうか。
しかし診断を受けて陽性となれば否応なく選択しなければなりません。
人の親として、自分ならどうするか?そういう思いで読むと胸を締め付けられます。
可愛いタッチのマンガにひっぱられて読んでいるうちに「人の命とはなにか?」というふか~いところに連れて行かれる本です。
投稿者:保育士
評価:☆☆☆☆
まったくわからなかった出生前診断のことが、おぼろげながらわかった気がします。また、中絶した家族の話しが一層印象的です。
投稿者:女性・41歳・会社員
評価:☆☆☆☆
病院で突如、羊水検査を勧められ、受けるべきか、陽性の場合どうするかを決めなければならず、拝読しました。
マンガながら、とっても分かりやすく、決心を促してくれ、清々しい読後感で、両親にも送り、読んでもらいました。羊水検査は受けず、NIPTや胎児ドッグで赤ちゃんの命を最優先にしていきます。ありがとうございました!(妻)
投稿者:女性・62歳・主婦
評価:☆☆☆☆
出生前診断が生まれてくる命を選別することにならないのかという思いがありましたが、筆者の丁寧な取材とありのままの事実を博しの状態で受け止めている姿勢に共感しました。女性だけでなく夫婦で読んでもらいたい良い本です。
中西 恵理子
1979年東京生まれ。長野育ち。多摩美術大学卒業。在学中に一度密かに漫画で商業誌デビューを果たす。その後デザイン事務所勤務などを経て、2006年からフリーでイラストや漫画の仕事を始める。趣味は手相をみること。
関沢 明彦
昭和大学医学部産婦人科学講座 教授