景観保護の法的戦略
景観・アメニティに関する裁判と環境政策の形成
著 者 | 中島 晃 |
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ISBN | 978-4-7803-0118-2 C0032 |
判 型 | A5判上製 |
ページ数 | 144頁 |
発行年月日 | 2007年08月 |
価 格 | 定価(本体価格1,500円+税) |
ジャンル |
景観問題の裁判の歴史をたどると環境が人の暮らしにいかに大切な要素かという事がわかる。景観保護の法規制と環境政策についても言及。
第1章 序論
第2章 景観・アメニティに関する裁判の動向
第3章 環境政策の形成と人格権
第4章 景観保護をめぐる法制度の動向
第5章 環境政策と財産権の制限
第6章 最高裁判判決の検討と今後の課題
筆者の弁護士・中島晃氏は、京都スモン訴訟(弁護団事務局長)・水俣病(京都弁護団副団長)・薬害ヤコブ病(大津訴訟弁護団長)などの弁護団の一人として活躍する社会派弁護士です。現在は、薬害イレッサ西日本弁護団長としても裁判中です。
いま現在は薬害などの裁判を手がけることが多いのですが、実は「景観問題・まちづくり」に、長年取り組んでおられます。多忙を極める弁護士生活のかたわら、京都大学大学院地球環境学舎博士課程に在籍し、環境政策の形成と公害環境裁判をテーマにした研究に取り組んでこられました。
本書は、その学位論文をもとにして、それに若干の加筆、修正をしてまとめたものです。論文というと難解かと思われるかもしれません。しかし、世間をにぎわした東京・国立市のマンション訴訟の裁判を、東京地裁から最高裁までの判決をもとに、どこが争点になり、こういった結果になったと、大変論点をわかりやすく詳述しています。併せて、京都の景観問題を取り上げています。
景観問題の裁判が意外に古くから争われていたのも分かり、景観・アメニティの問題は、時代の背景・住民意識とも関わりがあることが分かり、大変おもしろい本です。
中島 晃
1943年生まれ。1967年東北大学法学部卒業。1969年弁護士登録。1984年に市民共同法律事務所を開設。薬害ヤコブ病大津訴訟弁護団、薬害イレッサ西日本弁護団、石原産業フェロシルト事件弁護団などの団長をつとめる。全国公害弁護団連絡会議代表、京都・まちづくり市民会議事務局代表、薬害対策弁護士連絡会代表などを歴任。