マルクスならいまの世界をどう論じるか
アメリカ、中国、IS、ロシア、EU
著 者 | 聽濤 弘 |
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ISBN | 978-4-7803-0702-3 C0031 |
判 型 | 四六判上製 |
ページ数 | 272頁 |
発行年月日 | 2016年01月 |
価 格 | 定価(本体価格2,500円+税) |
ジャンル |
テロはなぜ起きるのか、共産党政権下の資本主義をどう見るのか。
テロが世界平和の最大の脅威になる事態、共産党政権下の資本主義という新現象、国民本位とみられていた欧州経済社会の大変調ーマルクスの時代になかった現象をマルクスの手法で読み解く。ソ連崩壊の原因に関する新たな解明、日ロ領土問題解決への提唱など、ふたつの補論も収録。
まえがき
序 章 「二一世紀の新しい神聖同盟」の結成
第一章 中国をどうみるか
第二章 米日中関係をどうみるか
第三章 なぜテロが多発する中東・アフリカなのか
第四章 ロシアとウクライナ問題の本質
第五章 揺れるEU
第六章 ASEANとラテンアメリカ共同体
おわりに マルクスを超えて
補論1 なぜ「米ソ冷戦終結」は可能だったのか
補論2 「日ロ領土問題」解決の道
投稿者:男性・50歳代
評価:☆☆☆☆☆
社会矛盾の深化は認識しつつも、自分の浅はかな知識だけでは世界が見えなくなっていました。そうした中、非常に知的好奇心を満足させる1冊に出会いました。著者は日本共産党政策委員会委員長などを務めた方で、個人的には氏が関われた介護保険制度発足時の党の政策提言に強く反発した記憶があり良い印象は持っていませんでしたが、この著作を読ませてもらい従来の印象は一変しました。マルクス主義に関する深い造詣に裏付けられた視点から、現在の複雑な世界情勢に真っ正面から切り込み、偏狭な公式を排して踏み込んだ視点を示されています。可能であれば、より深く分析された続編を期待したいところです。
聽濤 弘
1935年生まれ。京都大学経済学部中退、1960−64年に旧ソ連留学。日本共産党国際部長、政策委員長を歴任。元参議院議員。