
「いじめ防止対策」から学校をつくりなおす
「調査」は対話のはじまり
著 者 | 鈴木 庸裕・住友 剛 |
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ISBN | 978-4-7803-1389-5 C0037 |
判 型 | 四六判 |
ページ数 | 228頁 |
発行年月日 | 2025年08月 |
価 格 | 定価(本体価格1,900円+税) |
ジャンル |
生きづらくても「明けない夜はない」
いじめ防止対策推進法の制定から12年経過したが、自殺などいじめの重大事態は増え続けている。調査委の専門家、弁護士や現場の教諭らがどんな壁に直面し、どう乗り越えようとしているかを伝え、課題と進べき方向を探る。
重大事態に苦しむ子どものために、大人たちにできることはなにか?
第Ⅰ部 教育学的な視点で「いじめ問題」を考え直す
現場に「対話」のない制度改革でいいのか
第三者調査を「対話」のはじまりにする
第Ⅱ部 子どもの仲間づくり、大人の関係づくりを考える
「先生、あのさぁ」という風景 ともに解決するクラス作り
いじめを受けた子どものその後 謝罪の会で済ませない
背景や加害児童生徒をどう調査するか 第三者委員の実態
「外から来た人」だからできること スクールソーシャルワーカーの役割
第Ⅲ部 これからの「重大事態」対応のあり方を考える
法令・ガイドラインで解消しない困難ととまどい
今ある「重大事態対応」の枠組みを使ってできること
教えなかった「いのち」からの問いをどう引き受けるのか
被害にあった子どもの側から学校に望むこと
第Ⅳ部 これからのいじめ防止策に求められること
「対話」のための公教育の条件整備はどうあるべきか
子どもたちの自立支援の再出発に
いじめの調査は、被害と加害双方の子どもをはじめ、その周囲の子ども、保護者、学校教員が良好な関係を取り戻すための「対話」のはじまり―。そんな理想を目指しつつ、教師の責任回避や絶望する子どもの姿に戸惑いながら対応する現場からの報告は示唆に富み、課題も浮き彫りにします。
鈴木 庸裕(すずき のぶひろ)
日本福祉大学教育・心理学部教授。日本社会福祉士会 子ども家庭委員会アドバイザー。半田市教委自死事案調査第3者委員会 、高浜市いじめ問題対策委員会、日進市いじめ重大事態調査委員会 などで委員長を務める。日本学校ソーシャルワーク学会代表理事。関連著書多数。
住友 剛(すみともつよし)
京都精華大学国際文化学部教授。川西市の子どもの人権オンブズパーソン調査相談専門員を経て同大学へ。