米朝首脳会談後の世界
北朝鮮の核・ミサイル問題にどう臨むか
著 者 | 柳澤 協二・太田 昌克・冨澤 暉・今村 弘子 自衛隊を活かす会 |
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ISBN | 978-4-7803-0972-0 C0031 |
判 型 | 四六判 |
ページ数 | 128頁 |
発行年月日 | 2018年07月 |
価 格 | 定価(本体価格1,000円+税) |
ジャンル |
誰もが衝撃を受けた米朝首脳会談。
朝鮮半島の非核化の行方はまだ不透明で、今後も前進と後退を繰り返すだろう。
防衛の現場で朝鮮半島問題に携わってきた元官僚・自衛隊幹部、核問題のスペシャリスト、北朝鮮経済の専門家が、それぞれの立場から、これまでの教訓を踏まえ、今後の展望を語る。
はじめに
Ⅰ 米朝首脳会談の結果を実らせる道はどこにあるのか 柳澤協二
米朝首脳会談の結果をどう見るか
「戦争が嫌だから戦争する」は答えではなかった
抑止力は安全を保障するか?
ミサイルからの安全とは何か?
能力を防げないなら意志を防ぐ
アメリカは戦争するか?
北朝鮮核問題の解決とは何か?
日本の針路をめぐって
改めて専守防衛を考える
Ⅱ 北朝鮮の核問題を解決する道はどこにあるか 太田昌克
北朝鮮は核分裂性物質を増産できる体制にある
九四年米朝枠組み合意の背景
国交正常化を真剣に模索したクリントン政権
ブッシュ政権が外交的解決を選ばなかった理由
「二兎」を追った北朝鮮側にも問題はあったが
ティラーソン国務長官はもう一つの道を模索した
開戦の可能性をめぐるイギリス紙の報道と日本
戦争シナリオのリスクは高い、「母性的なシグナル」も大事
画期的な米朝会談、しかし正念場はこれから
日本核武装の技術的、倫理的な問題点
Ⅲ 防衛の現場から考える北朝鮮の核・ミサイル問題 冨澤暉
軍事的脅威は特定国ではなく「核拡散とテロ・ゲリラ」
核兵器の登場によって戦争の仕方が変わった
「核拡散とテロ・ゲリラの防止」と日本
ないよりはあったほうが良いミサイル防衛
万全は期せないミサイル防衛
テロ・ゲリラ対処と本稿の結論
〈追補〉
Ⅳ 北朝鮮の経済をどう捉えるか 今村弘子
北朝鮮経済の現状はどうなっているか
経済制裁は効果を上げてきたのか
中国の経済制裁はどうなっているのか
習近平時代になって中国には変化がみられた
米朝首脳会談に向けた動きとその結果
米朝首脳会談後の北朝鮮の経済問題
柳澤 協二
東京大学法学部卒。防衛庁に入庁し、同運用局長、防衛研究所所長などを経て、2004年から2009年まで内閣官房副長官補(安全保障担当)。現在、国際地政学研究所副理事長
太田 昌克
早稲田大学政治経済学部卒、新政策研究大学院大学で博士号。共同通信社に入社し、広島支局を皮切りに外信部、政治部、ワシントン特派員などを歴任。現在は同社編集委員・論説委員、早稲田大・長崎大客員教授。
冨澤 暉
元陸上幕僚長
今村 弘子
富山大学教授
自衛隊を活かす会
正式名称は「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会』。
2014 年6月7日に結成。自衛隊を否定するのではなく、かといって国防軍や集団的自衛権に走るのでもなく、現行憲法のもとで生まれた自衛隊の可能性を探り、活かすことを目的に、自衛隊関係者の協力も得ながら、各種のシンポジウム、提言活動などを行っている。呼びかけ人代表は柳澤協二(元内閣官房副長官補)、他の呼びかけ人に伊勢﨑賢治(東京外国語大学教授)、加藤朗(桜美林大学教授)。 ホームページで活動内容が分かる。