「国際競争力」とは何か
賃金・雇用、法人税、TPPを考える
著 者 | 友寄 英隆 |
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ISBN | 978-4-7803-0414-5 C0033 |
判 型 | 四六判 |
ページ数 | 144頁 |
発行年月日 | 2011年02月 |
価 格 | 定価(本体価格1,200円+税) |
ジャンル |
「国際競争力をつけるため」。
このことを錦の御旗に、企業はリストラに走り、勤労者の賃金は抑えられる。でも、国際競争力とは何だろう。企業の国際競争力のこと?国家の国際競争力と同じものなのか?それで国民は豊かになるの?日本の議論は欧米とも違うのでは?著者は日本と世界の議論を研究し、経済の原理にさかのぼり国民の暮らしの観点から、この問題を掘り下げた。日本経済のありようを考える不可欠な書である。
第一章 「国際競争力」をどうつかむか(歴史的展開)
第二章 日本財界の「国際競争力論」の陥穽(低価格競争)
第三章 日本科学・技術政策と大学(イノベーション競争)
第四章 「法人税率引き下げ競争」の悪循環(国際制度競争)
第五章 「東アジア経済共同体」(TPPと自由貿易圏)
(補論1)「資本の競争原理」について
(補論2)「新しい貿易理論」「戦略的貿易理論」について
当然の原理のように使われている「国際競争力」という言葉。しかし、日本の財界が使う場合の内容と、EUなどで使われている内容に大きな違いがあってビックリ。日本の場合、本当に勤労者の暮らしを切り捨てる考え方に偏っていることがわかります。原理からわかってすっきりします。
友寄 英雄
雑誌『経済』元編集長(1995年〜2006年)。
一橋大学経済学部卒(65年)、同大学院修士課程修了(68年)。