私にとっての加藤周一
編著者 | 白沙会 |
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ISBN | 978-4-7803-0319-3 C0095 |
判 型 | A5判 |
ページ数 | 80頁 |
発行年月日 | 2009年12月 |
価 格 | 定価(本体価格800円+税) |
ジャンル |
没1周年 追悼出版
没後1周年、28人が加藤周一とのそれぞれの出会いと忘れ得ぬ思い出を綴る。知られざる素顔が初めて浮き彫りに。
第1部
加藤周一氏からの二通の手紙
加藤周一のあたたかい手
バンクーバー九条の会と加藤氏
ムッシュ・カトーに敬意と感謝
知識のフーガ、話術のソナタ
美しい時間を愉しもう
一葉の写真ー驚きから憧れへ
気高さと叙情と
ギョロリの眼
教え子のひとりとして
加藤史観に惚れて
ほか
第2部
白沙会会員から
加藤先生と白沙会、そして映画
加藤周一の豆腐
白沙会で得たもの
記録係として
最高の激励の言葉
ある脚注のショック
四年間、通った授業
加藤周一、高校生と語るの舞台裏
居酒屋の加藤周一2刊行秘話
加藤先生とアヴァンギャルド
加藤周一という夢
ほか
資料 白沙会年表(1989〜2008)
みんな加藤さんに会いたいと思う。会って、文学や絵画を擁護するときのあの抑揚を、おもむろに煙草をふかし、権威や不条理に対して啖呵を切るときのあのドスを、破顔一笑を、そんな会話の名手ぶりをもう一度目にしたいと思っている。—それはもうかなわないことだけれど、この本を開けば、知らなかった加藤さんと会える。寄せられた文章には、思い出や喪失感だけでなく、自分のいる場所で、自分のしかたで、加藤さんの志を継いでいきたいという決意さえうかがえる。加藤さんの人柄と情熱がその人をして書かしめたにちがいない。
それぞれの思い出のなかに加藤さんは生きている。この冊子が加藤周一の全体像をとらえていないとしても、ここに書かれていることは真実である。わたしたちの胸に灯っている加藤さんへの想いが読者に伝わり、読者もまた「私にとっての加藤周一」を心に思い描いていただければ幸いである。
加藤 周一
1919年9月19日、東京に生まれる。東京帝国大学医学部で血液学を専攻。医学博士。幼少から読書に親しみ、フランス文学や日本古典文学に深い関心を寄せる。
戦後、留学生として渡仏し、医学研究のかたわら西欧各国の文学を摂取したことが、日本文学の特徴を考えるきっかけとなる。
カナダ、ドイツ、スイス、アメリカ、イギリス、イタリアなどの大学や、上智大学、立命館大学で教鞭を執る。2008年12月5日没。
[白沙会]について
加藤周一氏を囲む20人ほどのメンバーでの[勉強会]
司会者は井上吉郎